★NEW★キリンビバレッジ×ドリンク屋
飲料技術研究所に潜入取材
第5弾「デカフェ商品開発について」編
場所:神奈川県横浜市鶴見区生麦1-17-1 2016年秋撮影
2010年に技術開発を始め技術開発を重ね、2015年に”カフェインゼロ生茶”を発売。妊産婦さんや小さなお子様を含むカフェインを気にされる方が緑茶でもカフェインを気にせずに飲まれるように商品開発に取り組みました。
発売後、弊社のお客様相談室には「こんな商品が欲しかった、嬉しい」といった声が多数寄せられました。健康に対する意識が高まっている中で今後も、カフェインに対する意識と言うのはより高まっていくと考えています。 例えば、夜はカフェインを控える。朝はカフェインを取る、といったような生活スタイルに合わせてカフェインをコントロールする事が今後の時代かなと考えています。

飲料技術研究所潜入取材 第5弾「デカフェ商品開発について」編
Q:デカフェ商品開発の経緯を教えてください。
2010年に技術開発を始めまして4年の開発を経て、2014年に”やさしさ生茶 カフェインゼロ”という製品を発売いたしました。その後さらに技術開発を重ね、2015年にこちらの”カフェインゼロ生茶”を発売しました。合わせて、2015年には午後の紅茶シリーズのカフェインゼロの商品を発売しました。
近年、世の中でカフェインに対する意識が高まっていることに対して、今の市場にはブレンド茶や麦茶、水といったカフェインレス商品が主で、緑茶においてはカフェインゼロという商品は存在していませんでした。そこで、妊産婦さんや小さなお子様を含むカフェインを気にされる方が、緑茶でもカフェインを気にせずに飲まれるように商品開発に取り組みました。
Q:一般的な方法とキリン独自のカフェイン除去方法の違いは?
一般的なカフェイン除去方法は茶葉から熱湯や溶媒を使ってカフェインを取り除く、というものです。一方、弊社のカフェイン除去技術というのは、緑茶の抽出液から、天然の吸着剤を用いて除去を行っておりますので、安心、安全、さらに美味しさに寄与するようにカテキンや香気成分と言ったものを残したまま、カフェインを選択的に除去できるという点が他と違っている点となります。溶媒というのは、薬品、薬剤のことを指しておりまして、一部の商品には限られますが、そういった溶媒を使ってカフェインを除去している商品もあります。もちろん、製品にはそういった成分が残らないように工夫されていますが、製造の過程には使われています。
発売後、弊社のお客様相談室には「こんな商品が欲しかった、嬉しい」といった声が多数寄せられました。また、食品業界において技術革新となった技術に対して与えられる”安藤百福賞”をカフェイン除去の技術が受賞しました。また、”キッズデザイン賞”というお子様に非常に良い商品に対して与えられる賞を受賞したなど、様々なところで評価を頂いています。
Q:今後のデカフェ市場について教えてください。
健康に対する意識が高まっている中で今後も、カフェインに対する意識と言うのはより高まっていくと考えています。デカフェの市場というのも今後も広がっていくと考えています。今後の市場は、単純にカフェインを意識して取り除くというようなことだけでなく、カフェインをコントロールする、というような時代が来ると考えています。つまり、カフェインを摂りたい時、摂りたくない時自分で使い分けてカフェインの摂取量をコントロールしていくという意味です。例えば、夜はカフェインを控える。朝はカフェインを取る、といったような生活スタイルに合わせてカフェインをコントロールする事が今後の時代かなと考えています。
Q:開発において苦労した点を教えてください。
開発時に苦労した点としては、吸着剤の選定が特に大変でした。約100種類以上の吸着剤を試しまして、その中から良いものを選び出すことが非常に苦労した点だと思います。また、吸着剤を使用する時の条件も色々試行錯誤を重ねまして、美味しさを両立できるようなベストな条件で吸着剤を用いて製造をしております。
Q:商品開発の際に心がけている事を教えてください。
技術開発というのは、基本的には新しいもの、世の中にないものを造る、というのが技術開発だと考えています。ただそれだけではなく、本当にお客様の求めているものなのか、そういう技術なのかを常に原点に立って考えてから技術開発に取り組むようにしています。
Q:今後の商品展開について教えてください。
今後は、こちらの午後の紅茶のシリーズでさらに味のラインナップを増やして色々な味を楽しめるようにしよう、というふうに動いています。また、”カフェインゼロ生茶”につきましてもより一層、緑茶らしい美味しい味わいを実現するために技術開発を続けております。