伊藤園×ドリンク屋
本社潜入取材 第1弾「お~いお茶」前編
社内独自制度「ティーテイスター」中でも最難関の1級取得、お茶のスペシャリスト!!
マーケティング部長・志田様よりご紹介
場所:〒151-0071 東京都渋谷区本町3丁目47−10  2016年春撮影
伊藤園のこだわりといえば、やはりお茶の葉作りです。特に、清涼飲料としてペットボトルやお茶に詰めることで美味しくなる、新しいお茶の葉を作ることから始めました。薬としてお茶が飲まれた事に始まり、千利休により茶道が広められた以降、現代まで、急須で淹れて飲むというスタイルはほとんど変わっていません。
薬として飲まれていたお茶が抹茶になり、急須で入れるお茶になり、今ではペットボトルで持ち運ぶ時代になっている。それならば、「これまで先人がそうしてきたように、ペットボトルや缶に詰めた時により美味しくなるお茶の葉を作るべきじゃないか?」 「ペットボトル用のお茶は大きな急須型の釜に入れて抽出する仕組みですが、この仕組みに最適なお茶の葉があってもいいのではないか?」これが伊藤園が行っているお茶の葉作りです。

本社潜入取材 第1弾「お~いお茶」前編
Q:伊藤園ならではのお茶のこだわりについて教えて下さい
【漢方薬から茶道、そして庶民の文化へ】
伊藤園のこだわりといえば、やはりお茶の葉作りです。特にペットボトルやお茶に詰めることで美味しくなる、新しいお茶の葉を作ることから始めました。
お茶というのは、昔ながらの日本の文化です。
遣唐使が大陸からお茶の葉をもたらしたことが始まりと言われていますが、1200年代に僧侶の栄西上人が当時の将軍に「お茶を飲むと健康でいられますよ」、と、茶葉を納めたことが記されていて、薬としてお茶が飲まれたいた事がわかっています。
その頃は団茶と言われる茶葉を団子のように固めて、必要な時に削りとって煎じて飲む、という、今の漢方薬に似た飲み方をされていたようです。
さらに戦国時代を過ぎると、千利休で有名な茶道、お抹茶をいただく風習が上流階級を中心に広まりました。
急須で入れる現在のお茶のスタイルは、この茶道のお抹茶を経て生まれた文化です。
1738年頃、永谷宗円という方が急須で飲むためのお茶の葉作りを始めていて、現代までに400年弱、急須で淹れて飲むというスタイルはほとんど変わっていません。
ですが、お茶の飲まれ方は時代を経るごとに変わってきていますし、お茶の葉自体もよりお湯に抽出されやすい形状、加工法へと進化しています。

【ペットボトルのためのお茶の葉作り】
ところが、現代ではペットボトルや缶飲料の普及が進み、ペットボトルや缶に入ったお茶を飲む機会がとても多くなっています。
薬として飲まれていたお茶が抹茶になり、急須で入れるお茶になり、今ではペットボトルで持ち運ぶ時代になっている。それならば、これまで先人がそうしてきたように、ペットボトルや缶に詰めた時により美味しくなるお茶の葉を作るべきじゃないか?
現代でも主流は急須に入れた時に美味しくなるお茶の葉です。
ペットボトル用のお茶は大きな急須型の釜に入れて、その中でお茶の葉を泳がせて抽出する仕組みですがこの仕組みに最適なお茶の葉があってもいいのではないか?
契約農家や山地開拓などの事業において取り組んでいるのは、品質の劣化の原因となる破損が起こらない茶葉を作ることです。
茶葉の破片などをろ過して取ってしまうと、お茶本来の旨み成分も除去されてしまうんです。
「お~いお茶」のために作られたお茶の葉は、お湯に浸しても切れた葉っぱなどは出ず、綺麗にパッと開いて1枚の葉っぱのようになります。
ろ過が必要な切れ端などが出ないので、その後のろ過が非常に少なくて済みますし、お茶の持つ旨みや香りをしっかりと残しつつ美味しく淹れることができるのです。


【プロが作る現代のお茶】
ペットボトルに詰められたお茶は、詰められてから時間が経っても美味しく飲めるように作っています。
そのための大前提として、このお茶の葉作りからこだわりぬいています。
御存知の通り「伊藤園」はお茶屋ですので、社員全員がお茶のプロです。
お茶のことが好きでたまらない、そういった人間が集まっている現代のお茶屋としては、先人に学び、現代に合ったお茶、ペットボトルに入った美味しいお茶を作るにはまずはお茶の葉から開発するのは当然と考えています。
100種類を超えるお茶の葉からより適したものを選び出し、茶畑の近くに加工場を作り、素早くお茶の葉に加工する仕組みを整備し、お茶の葉の鮮度を落とすことなく、お湯で綺麗に開く「お~いお茶」専用の「香りの茶葉(かおりのちゃよう)」が生まれたのです。
Q:お茶の葉から作られているメーカーは「伊藤園」だけですか?
【お茶屋のこだわり、現代のお茶作りとは】
ここまで手間を掛けて、葉っぱから作っているのは間違いなく「伊藤園」だけです。
現在のように、様々な種類のお茶が選べる、お茶を飲むきっかけが増えることはとても喜ばしいことです。
だからこそ、お茶の葉から取り組んでいる「伊藤園」のお茶には確かな自信を持っていますし、「現代のお茶屋」としての責任を持ってお茶を作ることこそが、当社のこだわりでもあります。
全国で加工されたお茶の葉は、静岡県牧之原市の相良の工場に集められ、「伊藤園」の茶師が選別、部位ごとに最適な乾燥工程を行うことで、それぞれのお茶の葉の良さを引き出し、さらにそれを組み合わせてひとつの「お~いお茶」、美味しいお茶のための原料づくりを行っています。
自社内でここまでしているメーカーは「伊藤園」だけです。